鏡が登場する作品 01

ガラスが出てくる作品は見つけにくかったため、鏡にしてみました。鏡は思いのほかたくさんあります。

「鏡の国のアリス」の鏡の世界

鏡と言えば、真っ先に思い浮かぶ作品は何でしょう?

私ならば、「鏡の国のアリス」でした。タイトルに「鏡」の文字が入っているため連想しやすかったのでしょうね。
「不思議の国のアリス」の続編の「鏡の国のアリス」は、前作が即興だったことに対して出版を意識して作られた構成になっています。より知的で、チェスのルールに従って登場人物たちは鏡の国で動いています。アリスは白のポーン。アリスがポーンから始まって女王になるまでの過程が描かれています。ハンプティ・ダンプティやトウィードルダムとトウィードルディー等、マザーグースに由来する登場人物が大変魅力的な作品。

この「不思議な国のアリス」と「鏡の国のアリス」の何が好きかというと、ジョン・テニエルの挿絵です。
インパクトがあって、リアルなようでコミカルで、個性的でこれほど時間がたっていてもちっとも色褪せない魅力が詰まっています。……小さいころに見た時は、怖くてびっくりしましたが、それも良い思い出です。
(そうえいば、キャロルとテニエルの間にはひと悶着あったようですね。キャロルからの指定が細かすぎたとか何とか。でも、自分のイメージする通りの絵を、キャロルは付けて欲しかったんでしょうね)

閑話休題。鏡の世界はあべこべで、見えている方向とは逆に歩かないと目的地にたどり着かなかったり、同じ場所にとどまるためには力いっぱい走ったり、のどが渇くとクッキーを食べる等、へんてこなルールが存在します。それもまた魅力の一つです。
また、文章そのものに混ざる言葉遊び、作中はゲームが多く、物語そのものもチェスを模しています。訳が分からないように思えて、とても知的な物語です。

「不思議な国のアリス」と「鏡の国のアリス」は発表されてから50年以上が経っていますが、現在にいたるまで、世界規模でたくさんの作品(ファンタジー小説だけではなく、ミステリ、SF、他に漫画や、音楽ゲーム、映画などにも)に多大な影響を及ぼした大変魅力ある超有名作品です。大好きな作品ですね!